農業

野菜・米・食用薔薇の3つのめぐみ

あがらとでは、農薬・化学肥料・動物性肥料を使わない植物性自然栽培という農法を軸に、
3つのめぐみをいただいて事業を行っています。
   

01_ 野菜のめぐみ

西洋野菜と一般野菜を織り交ぜた、多品目栽培を行っています。多品目栽培は、気候変動による収穫量への影響を最小限にとどめるだけでなく、山間の比較的小さな農地を有効活用でき、植物同士が良い影響を及ぼし合う、自然のことわり・地のことわりに即した選択です。食べ物は人がたくさんの命と共にあることを実感する、最も身近で日常的な存在。野菜を通して、その普遍的な事実を見つめ直すきっかけになればと考えています。

02_ お米のめぐみ

古座川町で古くから親しまれた「香り米」を中心に、手植えや手刈り、天日干し等の伝統的な農法を織り交ぜて栽培を行っています。町内でも流通が途絶えていた香り米を、復活させる形で栽培を開始。香り米の栽培をきっかけに町内の先輩方からもご指導をいただき、関係性も格段に深まりました。去 年のめぐみを糧にして、今年のめぐみを育む。そうして遥か昔から伝え紡がれてきた稲と人の歴史から、人としての在り方を学ぶ、そんな機会にもなっています。

03_ 食用薔薇のめぐみ

薔薇はクレオパトラの時代から人々に愛され親しまれてきた、人との関りが最も深い花の一つです。その美しさで人々を魅了するだけでなく、美容や健康面でも様々な効果効能が知られる、まさに花の女王。一方で、薔薇が食べられることは、ほとんど知られていません。薔薇を味わうという特別な体験が、その育て方や背景、ひいては自然全体のことを考え、感じるきっかけになることを願っています。

微生物と仲良くなる

あがらとでは、微生物とチカラを合わせ、土を育んでいます。目指すのは、口に含むと思わず飲み込んでしまいそうになるような、『おいしい土』。言い換えればそれは、多様な微生物がバランスよく共生する土です。農薬や化学肥料は、効率よく均一にたくさんの作物を育てるには便利なものですが、反面、微生物にとって住みにくい環境を作ってしまう要 因でもあります。だからあがらとでは、農薬・化学肥料・動物性肥料を使用しません。動物性の肥料も使わない農法は珍しいですが、これは家畜が口にした抗生剤や飼料の農薬があがらとの畑や作物を介し、食べた人の体内にまで入ってしまうのを避けるため。

おいしい土を育む

微生物の自然のチカラで育まれた土は、植物の本来のチカラを引き出してくれます。例えばあがらとの薔薇は一般的な食用花と異なり、花びらに苦みが少なくほのかな甘みすら感じる程。自然で豊かな香りが強いのも特徴です。食の安心・安全が担保できるだけでなく、土の中の微生物や植物にとって嬉しく、食べておいしいあがらとの農法。その基礎となるのが、『おいしい土』なのです。

微生物がつくる『ぼかし肥料』と『落ち葉堆肥』

『ぼかし』と呼ばれる、昔ながらの植物性肥料をご存知でしょうか。もみ殻や米ぬか、油粕などを、微生物のチカラを借りて発酵させて作ります。たくさんの微生物が生きている『ぼかし』は単なる肥料分としてだけでなく、土のバランスを保ち、生きたチカラのある土にしてくれる、あがらとにとって欠かせない存在です。また、落ち葉や枯草を積み上げておくと、自然に発酵して堆肥になります。人が積み上げて、微生物が分解するという、まさに連携作業。人の都合を押し付けるのではなく、微生物にとっても嬉しい共生関係によって育まれた、最も自然な状態に近い肥料と堆肥。あがらとの作物たちを支え、栄養素となり、食べる人 を育む源です。

冬の間にぼかしをつくる

ぼかし肥料は、冬の間に自分たちで材料を調合し、微生物に発酵してもらって作ります。程よく発酵したら、毎日混ぜては広げてを繰り返して乾燥。微生物にとっても、あがらとのメンバーにとっても、冬の間の大仕事です。