あがらととは

人と自然に垣根のない和歌山県の山奥から

和歌山県の南のほう、古座川町という山間の町で、私たち『あがらと』は活動しています。東京23区の半分程の広さに、人口はわずか2700人程度(2019年現在)。面積の約96%が山林で、数々の清流に恵まれ、人よりも鹿が多い、そんな町です。古座川町には、ないものがたくさんあります。信号機もコンビニもありません。そして何より、『人と自然の垣根』がないのです。 鮎やアマゴといった川のめぐみ、鹿やイノシシ・山菜といった山のめぐみ、そして古くから稲作や林業を支えてきた、自然のめぐみ。人々は今も大自然の中で、すべての命と共に、その一員として生きています。過剰に奪うことをせず、癒すことをせず、すべての命に感謝しながら、少しだけ人の知恵と手を加えて、豊かに暮らしているのです。

すべての命と豊かな未来を招く

一方で、現代の日本に生きる多くの人にとって、自分たちがたくさんの命と共にあることを意識するのは、難しいことかもしれません。身の回りには、便利なものが溢れています。ずっとたどっていけば何かしらの形で、自然の中にあったものを元に作られているはず。しかし、高度な技術で精製され整えられた結果、自然との結びつきを感じるのは、とても難しくなってしまいました。そんな時代に、人と自然に垣根のない町からできること。それはすべての命と共に、より豊かなみらいを拓いていくことだと思います。ただすべての命と共にあるのではなく、人だからこそできる新たな視点や価値を加えて、『拓いて』ゆくのです。

新たな視点や価値、豊かさを生み出す

人はその知恵をもって、手をもって、自然が自然のままでは起こせないこと、起こせても時間がかかることを、効率的に、効果的に起こし、活用してきました。そしてそれは本来、人の為だけでなく、人にも自然にも喜ばしい『何 か』をもたらしてきました。すべての命と生きるとは、そういうこと。決して人の為だけに、命を利 用しすり減らすことではありません。人が、すべての命の一員であり続けるように。そこに新たな視点や価値を加えて、さらなる豊かさが生まれるように。そんな想いを作物に乗せ、商品に乗せ活動するのが、私たち『あがらと』です。

昔ながらの道具を手作り

すべての命と生きる農業に欠かせない古き良き道具は、時に手作りしています。田車(写真左)もその一つ。

あがら”と”に込めた想い

『あがらと』という社名は、和歌山県紀南地方の方言である『あがら』=私たち、と、『と、一緒に』の『と』を組み合わせたものです。私たちは、和歌山の山奥で荒れた土地の草を刈り、耕し、竹でハウス を建てて、微生物と仲良くなり、清流古座川の水に潤してもらいながら、日々たくさんの命と共に生きています。でも、私たちにできるのは、作物を、商品を作り、送り出すところまで。実際に選んでいただいて、食べていただいて、初めて意味をもつと思うのです。
『あがらと』という社名には、私たちだけでは成し得ない大きなもの、『すべての命とみらいを拓く』というビジョンをみんなで形にしたい、という想いが込められています。

人と人との繋がりが、夢を実現を可能にする

野菜作りを教えてくれる、近所のおかあさん。田んぼの脇を通るたび、声をかけてくれるおじいちゃんおばあちゃん。人と自然に垣根のないこの地で生きていると、人は一人では生きられないことを実感せずにはいられません。
『私たち』だけでは無力だけれど、『私たち“と„』共にあるすべての 人々、すべての命のおかげで、できることがたくさんあるのです。あなたも、『あがら』と、すべての命と共にあります。

植物も、動物も、人間も一緒に

”すべての命”には、あらゆる生命が含まれます。
みらいに向けて、すべての命と共にどうありたいか、
ロゴマークに込めました。

ロゴマークについて

樹木のような羽、葉っぱのような尾の鳥が、少女を乗せてはばたく、あがらとのロゴマーク。このマークは、植物も動物も人間も、すべての命が同じ世界の中で共にあり続けるというコンセプトを表現したものです。より豊かなみらいを拓いていく上昇感や高揚感を、未来へとはばたくイメージに込めました。

あがらとの近くにある大銀杏

400年もの間、野生動物や鳥、人にも恵みを与え続けている。