大自然と紅葉しない森。未来に届ける優しさの形とは?

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こんにちは!

秋が本格的に深まってきた今日この頃。
あがらと周辺はついに、最低気温が一桁です!

たくさんの自然に囲まれた場所、和歌山県は古座川町に位置する『あがらと』。
秋の気配もたっぷりかと思いきや、実は定番の紅葉が見られない・・・!?

大自然に囲まれながらも紅葉しないカラクリ、
そしてその裏に隠されたご先祖の優しさから、
未来に想いをつなぐ難しさについて考えてみました!

 

あがらとを囲む大自然

他の記事でもちょくちょくご紹介していますが、
あがらとが位置する和歌山県は古座川町は、実に自然豊かな地域です。

古座川町内の森林割合は、なんと約96%!
人より鹿が多いの納得の数字。

赤い線の中が古座川町。その森林の多さは一目瞭然!

豊かな森林に端を発する水資源も魅力で、
町名にもなっている古座川はもちろん、
あがらとで農業用水として使用している小節川(こぶしがわ)のような、
ものすごくきれいな支流が数多くあります。

あがらとのすぐ脇を流れる小節川。どこまでも透明な水です。

山菜やキノコ、ジビエ、鮎やアマゴなどの川魚など、
大自然に育まれた味覚が豊富なのも嬉しい部分。
こうした資源と人々が調和する生活が、今も息づいています。

夏の終わり、秋の気配を感じ始めた頃には実に多種多様で大量のトンボが飛び回り、
古座川町の自然の豊かさを実感させてくれたものでした。

そんなどこをとっても大自然に囲まれた町、古座川町。
でも、集落を囲む山を見渡すと・・・・?

 

紅葉しない山の秘密

あがらとは、古座川町内の三尾川(みとがわ)という盆地に位置しています。
ですから、見渡せば四方は山。
さぞ紅葉がキレイだろうと思いきや、
10月が終わろうとしている現在でも、青々とした夏と変わらぬ姿のままです。

右を向いても緑。(10/30撮影)

左を向いても緑。(10/30撮影)

それもそのはず、森林のほとんどは杉やヒノキといった常緑樹。
そしてそのほとんどが、何十年も前にご先祖によって植林されたものだそう。

山に入ってよく見てみると、斜面に石垣が組まれ、山林なのに平たい場所が多いことに気づきます。
実はこれ、元田んぼ。

山の中にはこんな石垣がチラホラ。 

上から見ると、平たい場所であることがよくわかります。

その昔使われていた田んぼが人口の減少と共に使われなくなり、
使わないなら、と杉ヒノキを人工的に植えて出来上がったのが、今集落を囲む山々なのです。

 

杉林は厄介者?ご先祖様の優しさ?

日本全国に、同様の人工林はあります。
そしてその多くで、管理の手が回らず、問題が生じている事実があります。

簡単に書くと、それはこんな図式。
管理の手が回らない ⇒ 間伐が遅れる ⇒ 木が密集 ⇒ 林内に光が入りきらない ⇒ 下草が育たない ⇒
落ち葉も下草もないので土壌が貧弱に ⇒ 土砂崩れが起きやすく

この影響で大規模に山が崩れる土砂災害は、日本各地で起こっています。

これだけ書くと、昔の人々が植えた杉ヒノキのせいで厄介ごとが起きてしまったかのように見えますね。
ある部分では、これは事実かもしれません。

でも視点を変えると、ご先祖の優しさが惜しくも仇となってしまった事例、でもあると思うのです。

なぜなら、ご先祖は良かれと思って、自分たちの子孫のために、杉ヒノキを植えたから。
自分たちの代では一銭にもならない木々を、一本一本植林する姿を想像してみてください。
その労力たるや、かなりのもの。
今ほど潤沢な機械もないわけですから、その苦労は計り知れません。

それでも植林を行ったのは、ほかでもない子孫のため。
ものすごく愛と優しさに満ちた行為だと思いませんか?

 

未来へつなぐ難しさ。愛と優しさを後世へつなぐために

ご近所のお父さんから昔の植林の話を聞いた時一番に思ったのは、
『今を生きる私たちは、そんなに子孫のことを考えられているだろうか?』
ということでした。

子孫のことを思い、労力を惜しまず、自分がいなくなった未来に財を成してくれると信じて、
地道に植林を行ったご先祖達。

時代が変わり、木材の価値が下がり、森林の手入れをする労力と対価が見合わない時代になろうとは、
恐らく想像していなかったと思います。

その部分の誤算はあったけれども、子孫のことをものすごく考えてくれていたのは事実。
そして、それだけ考えてくれていても、こんな風に仇となってしまったというのも事実。

だとしたら、子孫のことを考えずに暮らしてしまったら、いったい未来はどうなるのでしょうか?

子孫のこと、未来のことを考える愛と優しさを、私たちもつないでいきたい。
同時にその難しさを、この人工林の事例から学ぶ必要があると思います。

あがらとの一つの答えは、人にも自然にも無理のない共生関係を築くこと。
その方策を、バラや野菜の事業を通して探っています。

これが正解なのかは、100年後になってみないとわからないかもしれません。
それでも、子孫のこと、未来のことを考え抜いて行動すること。
考えて行動しても、100%正解はあり得ないと理解すること。

それだけでも、未来はきっとよくなると信じて、あがらとは日々活動しています。

 

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